万人の万人のための闘争
ヨーロッパでは「万人の万人のための闘争」という有名な言葉からも典型的に表現されるように、皆が競争状態で、一方が他方に捕食されることが、「世の常である」と考えられ受け入れられた社会環境の中で、食われるものと食うものの関係が重視されていたのである。これに対して、日本でも類似の思考パターンとなり、片方が捕食される関係か、競争関係に着目し、相互共生あるいは寄生の関係には目がいかない期間があった。学問、あるいは人間の自然の理解は、科学として進展してきたが、その進展段階では、即ち現在でも常に真理に近づきつつあるものの未だ真理に至ってはいない。